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コントラバスとの出会い

コントラバスに出会ったのは中学生の頃。

それまで、親父が自分でフレットレスに改造したエレキベースを使用していたが、普段聴いていた50年台のレコードのベースの音との音色の違いがとてもストレスになっていた。

ある時、北見の小さなお店に置いてあるウッドベースを触らせてもらう機会があり、弾いてみると親父もやっぱりコレだよなぁとなった。

高校受験が迫り、三者面談の時のこと。

先生「お父さん、今の粟谷くんの成績はここです。」

目標高校のボーダーラインのだいぶ下の位置を指す。

親父「だからなんだ」

先生「…他の高校に変えることをお勧めしたいのですが」

親父「何を言っているんだ?息子がここを受けると言っているんだ。」

静かながら強い口調で言い放つと面談は終了。

教室を出ると
「しかしありゃー厳しいよな〜。よし、受かったらウッドベース買ってやる。」

親父も無茶な約束だとわかっていたが、数ヶ月後、猛勉強の甲斐あって受かってしまった。

勢いで約束したせいで金策は大変。
親父は持っていたソプラノサックスを手放し、毎月出演していたお店ではベース募金も呼びかけてくれた。

なんとか集めたお金でZen-onのスクールモデルを買ってくれて、ようやくウッドベースを手にしジャズに没頭していくのだった。