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ベース人生の始まり

11歳の時に家の物置から出てきたエレキベース(親父が大学時代に友達から千円だけ払い‥)に出会い、同時期に親父のジャズバンドにいたベーシストが転勤で居なくなったので、親父のすすめでベースを担当することになった。スポーツや蝶の採集に没頭しており音楽には全く興味がなかったがやってみることにした。

 

初めてステージに上がったのは二ヶ月後のこと。

最初はたった3曲(枯葉、Blue Bossa、Blues)のベースラインをワンコーラスだけ親父に叩き込まれ、

3管編成(*ts,tb,tp,p,b,dr)のバンドでそれぞれが即興演奏を繰り広げる中、同じベースラインをひたすら弾き続ける。

いつ曲が終わったのかもわからず弾き続けていると、「もう止めて良いんだぞ。」

と大恥をかいたこともあった。

 

そう言った数々のいろんな悔しい思いが今ここにいる原動力なのかもしれない。

もっとちゃんと演奏したい、いい音楽を作りたい、ジャズを楽しめる様になりたい気持ちは今も変わらない。

 

形で教わったベースラインに飽き始め少しの期間休んでいた頃、ピアノを弾く母から簡単に音階について教わり、今まで弾いていたワンパターンのベースラインを変えていける楽しみを知った。

正直あの頃は親父のマニアックな音楽理論談議よりスッと頭に入ってきたことは今だから言える話。親父の話の途中はよく居眠りをして嫌な気分にさせていた。

 

まずは色々聴けと言う事で親父の部屋にあるCD棚を漁っていると、見るからにベースのリーダーアルバムと思われるCDが出てきた。

 

Paul Chambers 『Bass On Top』

 

前半でピンと来なかったら次へと適当に聴きすすめていると、

Dear old stockholmという曲を聴いた時だった。

イントロからメロディに入り数小節で大きな衝撃を受けた。何がどうとかわからないけどとてつもなくカッコ良く聞こえて鳥肌がたった。こんな風に弾きたい。とその時漠然と思ったのだった。

 

今思えば、音色、リズム、なんと言っても出だしのメロディーに対するベースライン、全てに心がもっていかれたんだろうなぁと少しわかるものの、あれから24年近く経ちどこまで来たのかわからない道程である。

 

 *ts=tenor sax, tb=trombone, tp=trumpet, p=piano, b=bass, dr=drums